#freeze
*ホスファチジルイノシトール[phosphatidyl-inositol] [#oe12951a]
  ホスファチジン酸のリン酸残基にmyo-イノシトールがエステル結合したリン脂質で,植物細胞では主にミクロソーム画分やミトコンドリアに存在し,色素体膜にも微量だが含まれている.植物のホスファチジルイノシトールはホスファチジルイノシトール4-リン酸,さらにホスファチジルイノシトール4,5-ビスリン酸へとリン酸化される.ホスファチジルイノシトール4,5-ビスリン酸はホスホリパーゼCの働きでセカンドメッセンジャーであるイノシトール1,4,5-トリスリン酸(IP3)を生成するが,IP3は[[アブシジン酸]]の作用時や環境応答の際の細胞内カルシウム振動に関与する.ホスファチジルイノシトールからホスファチジルイノシトール3-リン酸ヘリン酸化する経路も知られており,植物の成長制御との関連が示唆されている.ホスファチジルイノシトールを結合した糖タンパク質(GPIアンカータンパク質)が細胞膜に知られており,[[アポプラスト]]タンパク質の機能発現に一役かっている.

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