アンカップリング・タンパク質[uncoupling protein]

  ミトコンドリア内膜にある6つの膜貫通領域を含む約32 kDa のタンパク質.膜間領域のプロトンをマトリックス側に輸送し,ATP合成を脱共役する代わりに熱を産出する.動物の褐色脂肪組織における非ふるえ熱発生機構に働いていることが示唆されている.植物では,シアン耐性呼吸経路のように酸化的リン酸化によるATP合成の効率を下げる働きをすると考えられている.シアン耐性呼吸経路の酵素alternative oxidase(AOX) を阻害するリノール酸などの遊離脂肪酸によって活性化され,ウシ血清アルブミンやGTPによって阻害される.また,低温によって発現が誘導される.植物における役割として,ミトコンドリア内の活性酸素種消去系としての機能や,サトイモ科花序の発熱への関与などが示唆されている.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:43:09