インゲンハウス[Ingen-Housz, J.]

  Ingen-Housz,Jan, 1730-1799.オランダ生まれの医師.英国とオーストリアにおいて種痘の技法開発と実施に貢献し,植物生理学,化学,物理学にも業績を残した.植物が酸素を発生させるというプリーストリの実験の再現性は必ずしも高くなかったが,インゲンハウスは酸素の発生に寄与するのは緑色の部分であること,また光が必要であることを明確に示した.さらに,植物が呼吸によって酸素を吸収し,二酸化炭素を発生させることを確認した.インゲンハウスはこれらの現象をフロギストン説の枠組みで説明したが,呼吸と光合成における酸素と二酸化炭素の出入りを正しく理解したのは彼が初めてである.酸化や燃焼についても実験を行い,各種の気体の化学的性質についての理解を深めた.電磁気学に関する各種の実験を行い,装置の開発にも寄与した.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:45:32