シアネル [cyanelle]

 シアネレ,シアネラ,チアネル,チアネレなどともいう.元来は細胞内共生しているシアノバクテリアのことであり,褐虫藻やズークロレラと同様な共生段階の共生藻を意味していた.ただし近年では灰色植物の葉緑体を特にシアネルとよぶのが一般的である.

 歴史的に灰色植物やポーリネラ クロマトフォラ (Paulinella chromatophora)(ケルコゾア門),Geosiphon pyriforme(グロムス菌門),ハフケイソウ科の珪藻Rhopalodia, Epithemia)などに見られる細胞内シアノバクテリア様構造がシアネルとよばれてきた.これらの構造は確かに共生シアノバクテリアに起源をもつが,現在ではその共生段階は多様であることが判明している.灰色植物のシアネルはシアノバクテリア的な特徴(ペプチドグリカン層の存在など)をもつものの,既に完全にオルガネラ化しており(ゲノムサイズは他の葉緑体と同等),しかも葉緑体(色素体)と共通の起源をもつことが明らかとなっている.またポーリネラ クロマトフォラやハフネケイソウ科の構造は葉緑体(および灰色植物のシアネル)よりも大きなゲノム(それぞれ約1, 2.8 Mb; ただし近縁のシアノバクテリアとくらべると縮小している)を残しているが,これらもすでに宿主と不可分なオルガネラ化初期段階にあることが示されている(前者は光合成,後者は窒素固定用オルガネラとして).近年では前者はクロマトフォア(chromatophore),後者はスフェロイドボディー(spheroid body)とよばれることが多い.一方Geosiphonの例では共生者(Nostoc)は少なくとも形態的にはほとんど分化しておらず,分離培養可能なほど独立性が高い.


Last-modified: 2015-03-23 (月) 16:29:24 (1522d)

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