シトクロムb559[cytochrome b559]

  光化学系Ⅱ反応中心を担うD1タンパク質D2タンパク質で構成されるヘテロ二量体に強く結合しているb型のシトクロム.分子量約9,000のα-サブユニットと4,000のβ-サブユニットの2つのタンパク質(それぞれ,psbEおよびpsbF遺伝子産物)で構成され,還元型の吸収スペクトルのα帯の位置が559 nm にある.α-,β-サブユニットの膜貫通ヘリックスのストロマ側に存在するヒスチジン残基が配位子であり,両サブユニットに挟まれるようにヘムが結合している.
 ヘム面はチラコイド膜にほぼ垂直に配置している.酸化還元電位が異なるいくつかの状態をとることが知られており,マンガンクラスターの除去や光損傷に伴い電位が変化する.シトクロムb559は酸化された反応中心(P680+)により酸化されたり,還元されたQAキノン電子受容体やフェオフィチンにより還元されることが知られており,このシトクロムを介した光化学系Ⅱ循環的電子伝達が存在するとする説もある.酸化還元は生理条件下,酸素発生能を保持している光化学系Ⅱでは起こらず,光化学系Ⅱの電子伝達主鎖には含まれていない.このシトクロムの機能は未解明であるが,過剰に励起された光化学系Ⅱ反応中心を損傷から保護するシステムの一部として機能している可能性が指摘されている.

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Last-modified: 2015-03-27 (金) 11:32:47 (1612d)

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