チロシンラジカル[tyrosine radical]

  光合成反応に関与するチロシンラジカルは光化学系Ⅱにおいて見出される.光化学系Ⅱ複合体のルーメン側に擬C2対称に位置するチロシンZ(YZ)およびチロシンD(YD)は,電荷分離で生じた二量体クロロフィルP680のラジカルカチオンへの電子供与体として機能する.チロシンのラジカルカチオンのフェニル環ヒドロキシル基の酸解離定数は極めて低いため(pKa= -2),通常,チロシンは酸化されるとプロトンを解離し,電荷をもたない中性ラジカルとなる. 副次的電子供与体であるYDの中性ラジカルは生理条件下で安定に存在し,その電子常磁性共鳴(EPR)信号が容易に観測できる.一方,主電子伝達経路上にあるYZの中性ラジカルは数十マイクロ秒から数ミリ秒の速度でマンガンクラスターを酸化し,S状態サイクルを通して水分解反応に寄与する.

関連項目


Last-modified: 2015-03-23 (月) 16:30:15 (1616d)

トップ   編集 凍結解除 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS