バクテリオロドプシン[bacteriorhodopsin]

  高度好塩性古細菌Halobacterium salinariumの紫膜から得られる分子量約2.6万のレチナールタンパク質.光照射により細胞内から細胞外へ水素イオンを輸送する,いわゆる光駆動プロトンポンプ活性をもつタンパク質として知られる.発色団であるレチナールはβ-カロテン誘導体で,目の網膜に存在するロドプシンの発色団でもある.7個所の膜貫通αへリックスが主要部分を占めるタンパク質で,7番目のαヘリックス中央部のLys残基(K216)にレチナールがシッフ塩基を介して結合している.光エネルギー吸収によりall-transレチナールの13-cis型への異性化か起こり,これに伴って次々にタンパク質とレチナールの状態変化(光反応サイクル)が起こる.このサイクルは4つの解離基(D96, K216, D85,E204)のpKの変化をひき起こし,その結果1個のH+が細胞質側から細胞外側へ輸送される.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:43:23