ビット[Witt, H. T.]

  Witt, Hans Tobias, 1922-.ドイツの生物物理学者,現在ベルリン工科大学教授.光化学系Ⅰの反応中心におけるP700の働きが明らかになった後,光化学系Ⅱでこれに相当する機能をもつ物質を同定する試みが展開されたが,ビットは高速光学装置を開発してP680の検出に成功した.また,光による515 nm の吸収変化を見つけ,光合成膜の膜電位を反映するものであることを示した.その後,光化学系Ⅰ反応中心および酸素発生活性をもつ光化学系Ⅱ反応中心を結晶化させることに成功し,それぞれの三次元構造を高精度で明らかにした.これまで緑色植物の反応中心の構造は紅色細菌の構造から推論するはかなかったが,これらの結晶標品の解析によってスペシャルペアクロロフィル配向や構造,電子移動の経路,表在性タンパク質や光化学系Ⅰでは四鉄-四硫黄クラスターの,また光化学系Ⅱではマンガンクラスターの結合状況などが明らかになった.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:45:31