ブラシノステロイド[brassinosteroid]

  アブラナ科の花粉からステロイド骨格をもつ生理活性物質として単離され,光形態形成に関与することから最近植物ホルモンの一種として認められた.生理作用として細胞伸長,細胞分裂,屈曲促進,ソース/シンク相互関係,木部分化,プロトンポンプの活性化,エチレン合成促進,老化促進(または抑制),抗ストレス作用などがある.
 プラシノステロイド突然変異体は,葉柄も葉身も成長が抑制されて太くなる.特に,シロイヌナズナでは強い矮性になり,暗闇でも徒長しない.トマトでは葉がちりめん状にちじれる.イネの葉身と葉鞘の間の関節部位の向軸部の細胞はブラシノステロイドに特異的に反応して屈曲をひき起こし,この活性測定はブラシノステロイドの最も感度の高い生物検定法である.
 ブラシノステロイドは,「酸素原子をC3位にもち,C2, C6, C22, C23のいずれかに1つまたはそれ以上の酸素をもつステロイド化合物」と定義される.ブラシノライドは活性の最も強いブラシノステロイドであり,A環には隣接するα水酸基,側鎖にも隣接するα水酸基があり,B環にはラクトン構造がある.カスタステロンなど,植物には置換基の異なる様々なプラシノステロイドが含まれる.一般に種子には多くの種類が存在するが,茎葉では24α-メチル型が主である. C24の置換基の異なるプラシノステロイドは,一般的にそれと同じC-24置換基をもつステロールから合成されると考えられている.
 プラシノステロイドは単子葉類,双子葉類,裸子植物,シダ,藻類,コケから発見されているが,糸状菌や細菌からは検出されていない.また,植物体では,花粉,種子,茎葉,根,培養細胞,形成層などほとんどすべての器官,組織に存在するが,特に花粉や種子に多い.定量法はガスクロマトグラフィー質量分析法が最も正確で,メタンボロン酸やトリメチルシリル化後,分析する.

brassinosteroid.png

関連項目


Last-modified: 2015-03-23 (月) 16:31:17 (1644d)

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