メチル栄養(生物)[methylotrophy (methylotroph)]

 メタノール,ホルムアルデヒド,ギ酸,メチルアミンなどのC1化合物を唯一の炭素源とし,その酸化反応をエネルギー源として生育できる生物.これらの生物は厳密な意味の化学無機栄養生物には含まれないが,炭素同化経路の進化と多様化の観点から注目される.原核生物に多く,C1化合物資化細菌と呼ばれる.真核生物には稀であるが,メタノール資化酵母のほか,最近メタン資化酵母も見いだされた.原核生物ではⅠ型細菌(Methylococcus, Methylo-monasなど)は酸化的-,還元的ペントースリン酸回路の先祖型とも見られるペントース一リン酸回路によりホルムアルデヒドとリブロース5-リン酸(RuMP)から六炭糖リン酸を生成する.Ⅱ型細菌(Methylosinus, Methylocystis,Pseudomonasなど)はC1化合物がメチレンテトラヒドロ葉酸(THF)となり,グリシンと縮合してセリンができるセリン経路(上図)によりアセチルCoAまたはグリオキシル酸から生合成される.

methylotroph.png

関連項目


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:44:50