レニウム錯体[rhenium complex]

  原子番号75のレニウムに,種々の化合物が配位した錯体の総称.2,2'-ビピリジン誘導体とCl-および3つのCOが配位した,八面体六配位のレニウム(Ⅰ)錯体は,人工光合成の研究によく用いられている.この錯体は黄色の結晶で,室温溶液中,三重項MLCT (metal-to-ligand-charge- transfer)励起状態から強い発光を示す.その励起寿命は,酸素をよく除いた溶液中,室温で30ナノ秒前後である.この錯体の特筆すべき性質として,二酸化炭素の還元光触媒能がある.すなわち,この錯体を含む溶液に,トリエタノールアミンなどの犠牲剤共存下,光照射すると,二酸化炭素は効率よく(量子収率0.14)還元され,一酸化炭素が選択的に生成する.このとき,触媒を加える必要はなく,レニウム錯体は光増感剤と触媒の両方の役割を果たすという,金属錯体としては特異な性質を有する.Cl-配位子を,様々な単座配位子と置換することが可能であるため,多くの誘導体が合成され,それらの二酸化炭素光還元触媒能が調べられている.なかでも,リン化合物を配位子としてもつレニウム錯体は,一酸化炭素の生成量子収率が0.36と最も効率のよい光触媒の一つである.

rhenium complex.png

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Last-modified: 2015-03-27 (金) 13:15:03 (1640d)

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