亜硝酸代謝[nitrite metabolism]

  大気中の二酸化窒素ガス(亜硝酸ガス)は,火山活動などの自然要因によるものと人工的な要因によるものから成る.人工的な二酸化窒素の約半分は車の排気ガスである.大気中の二酸化窒素ガスは,気孔を介して(おそらくクチクラ層を通しても)葉組織内へ取り込まれる.葉組織内に取り込まれた二酸化窒素ガスは,アポプラスト内で水と反応し,硝酸と一酸化窒素に変換され,細胞内に取り込まれると予想される.アポプラストで二酸化窒素由来の硝酸が生成することが示されている.アポプラストに含まれるアスコルビン酸で一電子還元され,亜硝酸イオンが生成するとの考えもある.植物細胞内に取り込まれる分子種には,硝酸,亜硝酸,一酸化窒素ガス,二酸化窒素ガスなどが考えられているが,各分子種の比率やどの分子種が優先的に取り込まれるかなどはわかっていない.植物に吸収された二酸化窒素は,おそらく硝酸還元経路を介してアミノ酸窒素に変換される.二酸化窒素ガスの還元同化能は植物間で3桁の差異がある.

関連項目


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:44:28