光周性[photoperiodism]

  生物の発生現象が昼もしくは夜の持続時間によって制御される現象.植物の花芽誘導,種子の休眠,昆虫の休眠や動物の生殖腺の発達などの発生制御や栄養成長から生殖成長への転換などに多くみられる.生理学的には,これらの発育上重要なプロセスの開始を,季節変化を最も確実に反映する日長により制御することで,より確実な時期選択を達成していると考えられている.光周性現象の特徴は,1)反応は日長依存的であり光量依存的ではないこと, 2) 限界日長と呼ばれる遺伝的に決定された日長の前後で反応が急激に転換すること,3)限界日長は温度に依存しないこと,4)温帯地方の生物によくみられる,などがあげられる.限界日長より長い日長のときに花芽が誘導される植物を長日(性)植物,短いときに花芽をつけるものを短日(性)植物といい,それぞれ春咲き,秋咲きの植物が対応するが,光周性を示さず日長にかかわらず開花する中日(性)植物も多い.
 日長の測定機構は様々なモデルが提案されているが,昼もしくは夜の持続により特定の物質が閾値まで蓄積する(あるいは分解する)ことを想定した砂時計モデルと,概日リズムの位相と外部の明暗を比較し日長を判定する方式が考えられてきた.多くの生理学的実験によれば,植物では後者の形式の時間測定方法が主に利用されている.この方式は外的一致モデルと呼ばれるが,この考えの最初の提案者にちなみ,ビュニングの仮説とも呼ばれる.このように光周性と概日時計は密接に関わっており,概日時計の突然変異体が光周性に異常をもたらす(あるいはその逆)ことが多い.時間測定に直接関与している分子についての確かな情報は得られていないが,シロイヌナズナでは光周性反応に応答する遺伝子としてcoが知られている.

関連項目


Last-modified: 2015-03-23 (月) 16:33:36 (1720d)

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