圧流説[pressure flow theory]

  篩部輸送の機構に関する古典的な説でE. Münch が1930年に提唱した。光合成が行われるソース組織における光合成産物の濃度は、その代謝利用が活発なシンク組織よりも高く、そのためソース側の膨圧はシンク側よりも高くなる。この圧力差によってマスフローが生じ(圧流:pressure flow)、ソース側の細胞内溶液が篩部を通ってシンク側に押し出されるとされる。その後、篩部およびその周辺細胞の微細構造や各種輸送体の存在が明らかになり、光合成産物は必ずしも圧流だけで移動するわけではないことがわかったが、篩部にマスフローを生み出す基本的なメカニズムとして今日にいたるまで支持されている。

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:43:16