生産効率[production efficiency]

  物質やエネルギーの転移する効率のこと.いくつかの重要な用法がある.
 a.Pn/Pgのこと.植物の総一次生産量に対する純一次生産量を呼ぶ.光合成器官に対する非光合成器官の量が多いほど,高温条件などにより単位重量当たりの呼吸速度が高いほど,生産効率は低下する.
 b.転換効率の総称.植物の成長は,物質生産と生産された余剰物質すなわち純一次生産量の植物体への転形(transformation)という連続した過程としてとらえられる.貯蔵物質の減少量に対する新たな植物体量の比を示す翠川(1959)の経済率(economicratio),材料物質量に対する新たに構成された物質量の比を示す門司(1960)の転形率(transformationfactor),光合成産物または貯蔵物質消費量に対する新生植物体量の比を示す田中と山口(1968)の成長効率(growth efficiency)などを総称して生産効率と呼ぶ.
 c. Lindeman (1942)により定義された栄養段階間のエネルギー獲得の比率.栄養段階i番目の生物に取り込まれたエネルギー量のi-1番目の生物に取り込まれたエネルギーに対する比率.一般には一次生産における総生産,従属栄養生物の場合には総同化量を使って計算する.この比率をリンデマン比と呼ぶ.純生産,純同化速度を使って計算する場合もある.

関連項目


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:44:11