窒素代謝[nitrogen metabolism]

  無機窒素の同化から各種アミノ酸や核酸塩基などの有機窒素化合物の生合成,さらにそれらの分解,再利用に至る含窒素化合物の生物的変換過程全般を総称する用語.動物は無機窒素の同化能力が弱く,さらにアミノ酸の一部の生合成能力を欠くのに対し,光独立栄養生物である植物,藻類,シアノバクテリア類は無機窒素の同化能力に優れており,硝酸イオンやアンモニアを同化し,タンパク質を構成するすべてのアミノ酸を合成する.シアノバクテリアの中には窒素固定を行って分子状窒素を同化するもの(窒素固定シアノバクテリア)も多い.植物自身は窒素固定能をもたないが,窒素固定菌や窒素固定シアノバクテリアと共生系をつくることによって間接的に分子状窒素を窒素源として利用するものもある.また,動物が有機窒素化合物の分解物を最終的にアンモニア,尿素,または尿酸の形で排出するのに対し,植物は,原則としていったん同化した窒素は外部に排出することなく,可能な限り再利用する.光呼吸に共役して生成するアンモニアの再同化・再利用や,老化器官で分解されて生じたアンモニアの再同化と成長中の器官への移送・再利用,すなわち窒素転流は植物に特有で,その生存と成長に必須の窒素代謝過程である.


Last-modified: 2015-03-23 (月) 16:36:08 (1720d)

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