葉緑体シグナル[chloroplast signal]

  遺伝子発現や光合成活性の調節系因子を含むほとんどの葉緑体タンパク質の遺伝子は核ゲノムにコードされており,葉緑体活性は核ゲノムに存在する遺伝プログラムに従って制御されている.ところが,葉緑体DNA欠損,葉緑体の転写や翻訳不全,葉緑体へのタンパク質輸送不全および各種阻害剤による葉緑体ストレスに応じて核遺伝子の発現が変化することが知られており,このことから葉緑体から核へも情報伝達が行われていると考えられている.このような葉緑体から核へのフィードバック的な情報の流れを総称して“葉緑体シグナル"(chloroplast signal, またはplastid signal, plastid retrograde signal)と呼ぶ.同様の現象がミトコンドリアと核との間でも知られている.

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:44:22