CAMアイドリング[CAM-idling]

  CAM型光合成の一形態.昼夜を通してCO2交換が停止された状態で,光合成組織では有機酸 (主にリンゴ酸) が夜間に蓄積され昼間には消失するという日周変動がみられる現象をさす.外気とのガス交換は完全に停止されることから,夜間のリンゴ酸は呼吸由来のCO2からベンケイソウ型有機酸代謝 (CAM) 経路を介して合成されるものと考えられている.つまり,気孔を閉じて体内水分の消失を極力抑制した状態で,呼吸の結果発生するCO2を体内で循環させることにより光合成機能を維持し続けることができる植物のストレス耐性機構である.Opuntia basilarisKalanchoe daigremontianaHoya carnosaなどのCAM植物では長期に及ぶ乾燥条件の極限状態下で示されている.またOpuntia 属ではCAMアイドリングによって,砂漠条件下で土壌と切り離された状態で,3年以上にわたり緑色を保ち続けることが確かめられている. CAMアイドリング状態にある植物葉は,年間数十ミリの降雨しかない砂漠において,浅根を降雨直後に数日間で形成することで迅速・効率的な吸水を可能にする.ただし,すべてのCAM植物がCAMアイドリングを用いて乾燥に耐えるとは限らない.

関連項目


Last-modified: 2015-03-23 (月) 16:25:22 (1616d)

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