Murashige-Skoog (MS)培地

Murashige-Skoog (MS)培地[Murashige-Skoog culture medium] †

　 植物組織(細胞)培養には無機栄養素のほか，エネルギー源として糖類，およびビタミンなどの有機物質を培地に加える．これらの基本培地に必要に応じて植物ホルモンが添加される．Murashige-Skoog培地(MS培地)は広く種々の植物種に用いられ，最もよく使用されている．MS基本培地は，各種無機塩，炭素源(ショ糖など)，イノシトール，ビタミン(ビタミンB1，二コチン酸など)，アミノ酸(グリシン)などを含む．最近は，基本培地については調合済培地として市販されている．個々の植物組織や細胞はそれぞれ栄養要求性が異なることが多いので，MS基本培地の培地組成を変えたり，天然抽出物(ココナッツミルク，酵母抽出物など)を加えることにより，その培養に最も適した培地を探すことになる．また，細胞の増殖や分化制御のため，オーキシン，サイトカイニン，ジベレリン，アブシジン酸，エチレン，プラシノライドなどの植物ホルモンを加える必要がある．

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