RNAブロット法[RNA blotting]

  RNAのサイズと量を測定する分析法の一つ.細胞から抽出した全RNAまたはポリ(A)+RNAをゲル電気泳動によりサイズに従って分画した上で,ナイロンなどを素材とする多孔質のフィルター膜上に転写・固定化する.これをブロットと表現する.この膜を適当な反応液中で,放射性核種またはDIG (digoxygenin)などでラベルされたプローブDNA(RNAプローブも使われる)とともに保温し,ハイブリダイゼーションを行う.その後,適当な塩濃度の洗浄液で洗って,過剰なプローブを除去し,結合したプローブをX線フィルムなどに感光させて検出する.基本的に,プローブと反応するRNAの量を測定するために用いられる.予めRNA試料をグリオキサールなどによって処理して変性させてから電気泳動を行えば,RNAがそのサイズに従って分離するため,ハイブリダイゼーションの結果,目的のmRNAのサイズ(分子量)がわかるので,ポリシストロニックな転写産物などを確認するのに有効である.DNAプロット法がSouthernによって始められたのに対して,Northernプロット法と,ニックネームで呼ばれることもある.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:42:53