*光合成細菌の二酸化炭素同化[carbon dioxide fixation of photosynthetic bacteria] [#tc47f43e]
  [[原核光合成生物]]のうち,多くの[[シアノバクテリア]]は[[還元的ペントースリン酸回路]]を用いて炭素同化を行っているが,[[光合成細菌]]が用いる炭素同化系は多様である.[[紅色細菌]]は炭素同化に主として還元的ペントースリン酸回路を用いるが,[[紅色非硫黄細菌]]の[[Rubisco]]欠損株における研究から,他の炭素同化系も働いていることが確認されている.[[紅色非硫黄細菌]]'''Rhodospirillum rubrum'''では[[還元的TCA回路]]が機能していると報告されている.[[繊維状非酸素発生型光合成細菌]]の'''Chloroflexus aurantiacus'''では炭素同化系として[[ヒドロキシプロピオン酸回路]]が用いられているが,他の細菌においてはヒドロキシプロピオン酸回路ではなく還元的ペントースリン酸回路を用いている報告がある.[[緑色硫黄細菌]]は還元的TCA回路を利用する.緑色硫黄細菌においてはかつてRubisco活性が報告されていたが,'''Chlorobaculum tepidum'''のゲノム解析から存在が推察されたRubisco様タンパク質はRubisco活性をもたない別なタンパク質であることがわかった.[[ヘリオバクテリア]]ではピルビン酸合成酵素,2-オキソグルタル酸合成酵素,ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性が確認されているが,還元的TCA回路を構成する鍵酵素の1つであるATPクエン酸リアーゼの存在が確認されておらず,還元的TCA回路として不完全であると報告されている.


** 関連項目 [#if72ced0]
-[[還元的ペントースリン酸回路]]
-[[還元的TCA回路]]
-[[ヒドロキシプロピオン酸回路]]


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