*葉緑体の多様性[chloroplast (plastid) diversity]
 すべての[[葉緑体]]は単一の起源をもつという説が有力であるが,各植物群,藻類群に見られる葉緑体はその形態,細胞当たりの個数,微細構造,光合成色素組成,[[ピレノイド]]の有無,[[葉緑体DNA]]の局在様式などにおいて非常に多様である.これは葉緑体獲得後に各群の葉緑体で固有の進化が生じた結果である.微細構造レベルの特徴としては,葉緑体包膜の数,[[葉緑体ER]]と核の外膜との連結の有無,ガードルラメラの有無,[[グラナ]]の有無,[[フィコビリソーム]]の有無,チラコイドの配列様式,ピレノイド構造などがあり,これらは門や綱ごとに異なっている(同一群内で変異の見られる形質もある).この中で葉緑体包膜の数は葉緑体の獲得様式と関連しており,二重包膜葉緑体をもつ緑色植物・陸上植物,紅藻類,灰色藻類の3群が一次共生起源の葉緑体,三重包膜をもつユーグレナ植物,渦鞭毛植物および四重包膜の葉緑体をもつ残りの藻群が,二次共生由来の葉緑体をもつと考えられている.

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