#freeze
*'''psbB''' オペロン['''psbB''' operon] [#pf893b49]
  光化学系Ⅱ 47kDaタンパク質遺伝子[['''psbB'''>psbB]],光化学系ⅡTタンパク質遺伝子[['''psbT'''>psbT]],光化学系Ⅱ 10 kDa リン酸化タンパク質遺伝子[['''psbH'''>psbH]], シトクローム'''b'''&subsc(6);遺伝子'''petB''',シトクロ-ム'''b'''&subsc(6);'''f'''複合体サブユニットⅣ遺伝子'''petD'''の5種類の遺伝子から構成されているオペロン. '''petB''', '''petD'''にはイントロンが1つずつ存在している.また,'''psbB'''オペロンの逆鎖側には'''psbN'''が存在している.'''psbB'''オペロンは'''psbB'''の上流のプロモーターから転写を開始して,'''psbB'''-'''psbT'''-'''psbH'''-'''petB'''-'''petD'''のというポリシストロニックな前駆体RNAがつくられる.その後, RNAが遺伝子間のスペーサー部分で切断され各遺伝子に対応する成熟RNAができる. '''petB''','''petD'''ののイントロンもスプライシングによって除かれる.これらの過程で前駆体RNA,中間体RNA,成熟RNAの多くのRNA分子種を生じる.複数の遺伝子が共転写されてできた前駆体RNAが切断とスプライシングによって成熟RNAに変化していく過程は,[[葉緑体遺伝子の転写後調節]]の例として多くの植物で研究されている.また,'''petB'''においてRNAの特定の塩基がCからUへ置換されることがわかり, [[RNAエディティング]](RNA編集)の研究にも用いられている.近年,トウモロコシやシロイヌナズナで'''psbB'''オペロンの前駆体RNAの切断が特定の個所だけ阻害される変異体が単離され研究されている.その結果,前駆体RNAの切断による成熟RNAの生成は遺伝子の翻訳に必要であること,前駆体RNA切断は切断個所ごとに異なる因子が関与していることが明らかとなっている.

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