ショ糖トランスポーター[sucrose transporter]

 細胞膜を横切ってのショ糖の輸送を媒介する内在性膜タンパク質.高等植物ではRiesmeierら(1992)によってホウレンソウから初めてその遺伝子が単離された.分子量は5万程度,12回膜貫通構造をもつと推測され,SH阻害剤によりその活性が阻害される.現在知られている多くのショ糖トランスポーターは篩部(伴細胞もしくは篩要素)に局在し,伴細胞の活発なH+-ATPaseによって形成されるプロトン勾配を利用するH+との共輸送により,アポプラストのショ糖を篩管に取り込むアポプラスティックローディングの中心的な役割を担っている.一方,成熟中の種子などのシンク器官で強く発現するショ糖トランスポーターも存在し,それらは貯蔵物質合成などのシンク代謝に使われるショ糖をアポプラストから取り込む働きをすると考えられる.なお,液胞膜にはH+/ショ糖対向輸送体が存在するらしいが,その実体は不明である.

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:45:33