水溶性クロフィルタンパク質[water-soluble lorophyll protein]

  1963年に薬師寺らによりシロザの摩砕液中に発見され,アカザ科,ヒユ科,タデ科の植物とアブラナ科植物に散見する.アカザ科,ヒユ科,タデ科のクロフィルタンパク質の吸収帯は光変化する.ともに分子量は約80万で,1~2分子のクロロフィルを含む四量体から成る.光化学反応を行う脂溶性クロロフィルタンパク質との相同性は少なく,アブラナの乾燥ストレスタンパク質BnD22と高い相同性を示す.カリフラワーの葉中の含量は乾燥ストレスにより上昇する. Kunitz型タンパク質分解酵素阻害剤のモチーフをもつが,トリプシンの反応を阻害しない.マメグンバイナズナでは,根,茎,葉のミロシン細胞に局在する.単量体のアポタンパク質は,チラコイド膜の懸濁液からクロロフィルを奪うことから,クロロフィルの移送や分解での役割が示唆される(→クロロフィルの分解).バレルとその蓋をするローブから成る立体構造は,一次構造の相同性が少ないキモトリプシン阻害剤を含むファミリーと酷似する.

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:43:05