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*コック[Kok, B.]
Kok, Bessel, 1918-1979.オランダ生まれの生化学者, 1958年アメリカに移住.[[光合成の量子収率]]の測定でライデン大学から学位を得たが,これは当時支配的であった光合成の4光量子説を再検討したもので,酸素発生の要求量子数が6.5~10であることを示した.この研究の中でコックはクロレラの呼吸速度が光合成条件下で低下し(コック効果, Kok effect),これが量子収率測定の誤差を招いたことを示した. 1957年光合成系の700nm近傍の吸収が光によって減少することを発見,これに関わる色素を[[P700]]と命名した. 700 nm の吸収減少がP700の酸化で,酸化されたP700は光化学系Ⅱの光で還元されること, P700が[[光化学系Ⅰ]]の反応中心クロロフィルであることなどを証明した.アメリカに移住後,暗所においた葉緑体では酸素発生に前照射が必要であるという[[ジョリオ]]の発見を高感度の測定系を用いて追試し,4光量子ごとに1分子の酸素が発生することを見いだし,酸素発生系は酸素が発生するまで電荷を異にする4つの状態(S状態)をたどるというモデルを提案した.これは[[S状態モデル]],4周期振動モデル,コックモデルなどと呼ばれている.