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*プリーストリ[Priestley, J.]
  Priestley, Joseph,1733-1804.英国の宗教家,化学者.はじめ電気の研究で知られるようになったのち,気体に興味をもち,酸素など,多種の気体を発見した.プリーストリは太陽光をレンズで集光して酸化水銀を加熱して得られる気体が燃焼を維持させること,また,呼吸に使われて動物の生存を支えることを見いだし,これが新しい気体(酸素)であると認識した.彼はハッカの枝や水槽の側面についている“緑色のもの"が酸素を発生することを観察し,光合成の発見者とされる.しかし,光と光合成との直接の関連については明確には認識せず,そのため,酸素発生の実験の再現性は低かった.また,呼吸によって二酸化炭素が発生することも見いだした.彼の発見はラボアジェに伝えられ,化学の新体系の構築の一つのきっかけとなったが,プリーストリ自身はフロギストン説に従って自分の実験結果を解釈し,酸素は「脱フロギストン空気」,二酸化炭素は「固定空気」であるとしていた.彼はプロテスタントの一派である長老派教会の牧師であったが,ユニテリアンの立場をとるようになり,英国国教会に従わない少数派として迫害を受けた.彼の宗教的・政治的主張に反感を抱いた群衆による放火によって住居や実験室が失われたのちアメリカに移住し,化学研究のほか宗教活動や著作に従事した.

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