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*作物成長速度(率)[crop growth rate, CGR] [#db203cb0]
 個体群成長速度あるいは個体群成長率とも呼び,[[純一次生産]]量と同義に用いる.単位期間内に増加した単位面積当たりの植物体の乾物重をさし,次式で表される.	CGR=dW/dt&br; ここでWは乾物重である.植物の成長過程を解析する方法の一つである[[成長解析]]法で用いる項目の一つ.ある期間内に得られた貯金の利子にたとえられる.これに対し,ある時点における乾物重当たりの乾物生産能率,すなわち[[相対成長速度]](率)は,ある時点での貯金の利率にたとえられる.成長解析法は,研究対象となる植物個体群の葉面積や乾物重の値などから成長過程を定量化することにより,成長過程や[[収量制約因子]]を解析しようとする手法である.成長解析法は主としてイギリスで発達し,わが国でも盛んに用いられている.作物成長率は[[葉面積指数]](LAI,単位土地面積当たりの葉面積)や純同化速度(率)(NAR,単位葉面積当たりの乾物増加速度)などに分解して解析される.主要な作物種の作物成長速度の最大値(CGR&subsc(max);)は,20~40 (gm-2 day-1)の範囲にある.CGR&subsc(max);と個葉の光合成能力との間には曲線回帰が認められ,C&subsc(4);植物がC&subsc(3);植物よりも大きい傾向がある.作物成長速度は,個葉の光合成能力,葉面積の拡大速度や受光態勢などの作物側の要因と,気温,降水量,日射量および無機養分供給量などの環境要因の影響を受ける.作物成長率を高めることは作物収量向上の基本的要因の一つである.


** 関連項目 [#if72ced0]
-[[成長解析]]
-[[収量制約因子]]

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