#freeze
*放射の年変動[annual change in the radiation]
 地球に届く太陽放射のエネルギーは,太陽表面にある黒点活動などの影響を受けて約11年の周期で変動している.また,地球全体が受ける放射は太陽と地球との間の距離の2乗に反比例することから,地球が太陽に最も近づく1月には,最も遠ざかる7月に比べて7%程度多くの太陽放射を受ける.地球に入射した太陽放射は,一部が雲や地表面によって散乱または反射されて宇宙空間に戻り,残りは大気や地表面に吸収されてこれらを加熱する.地表面は平均で290 K 程度の温度をもっており,この温度によって決まる長波放射を射出している.大気中には長波放射をよく吸収する気体(温室効果気体)が存在し,長波放射を吸収してその場の温度を上げる.このように地球の放射収支は変動しながら複雑なバランスを保っている.雲の反射率や温室効果気体の量などに変化があると,放射の変化を通して地球の気候にも影響が及ぶ可能性がある.

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