#freeze
*緑色硫黄細菌型の反応中心[green-sulfur bacterial reaction-center complex] [#ob394e0a]
 [[緑色硫黄細菌]]は[[光化学系Ⅰ]]と同じ[[鉄硫黄クラスター]]をもつ反応中心をもち,主要な[[アンテナ色素]]は[[バクテリオクロロフィル'''a'''>バクテリオクロロフィルa]]である.酸素にきわめて不安定で,安定な標品を得るには嫌気条件下での調製が必要.反応中心内の電子伝達成分である鉄硫黄クラスターが酸素に対して不安定なのが原因と考えられる.複合体の構成サブユニットは,コアタンパク質, [[F&subsc(A);/F&subsc(B);>FA/FB]]タンパク質,[[シトクロム]]'''c'''&subsc(z);(モノヘム型で反応中心内に2分子存在する),18 kDa ポリペプチド([[光化学系Ⅰ複合体]]の[[フェレドキシン結合タンパク質(PsaE)]]に相当する)の4種類から成る.これらは, [['''psc''' 遺伝子>psc遺伝子]]によりコードされている.これに[[周辺集光装置]]の[[FMOタンパク質]]が結合しているが,現在得られている標品では励起エネルギーの移動効率がきわめて低く,その原因はよくわかっていない.コアタンパク質はホモ二量体構造((PscA)&subsc(2);)を形成し,2回軸に沿って対称的な反応経路が存在するものと推測される.反応中心内の電子移動は,&br; 
二次電子供与体(シトクロム'''c'''&subsc(z);) → [[一次電子供与体]]([[P840]]) → [[一次電子受容体]](A&subsc(0);,Chl '''a'''670) → 二次電子受容体(A&subsc(1);,[[キノン]])? → [[F&subsc(X);>Fx]] → F&subsc(A);/F&subsc(B);  &br;
と考えられている.キノンの存在の有無については長く論争の的であるが,結論はまだ出ていない.一次電子受容体は,植物型の[[クロロフィル'''a'''>クロロフィルa]](ただし,側鎖はΔ2,6-phytadienol)であるのが特徴である.またシトクロム'''c'''&subsc(z);は隣接するシトクロム'''bc'''複合体から直接電子を受け取り, P840に電子を渡す機能を担っている.


** 関連項目 [#if72ced0]
-[[光化学系Ⅰ型反応中心]]
-[[ヘリオバクテリアの反応中心]]
-[[反応中心結合型シトクロム]]

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