#freeze
*葉緑体の単系統[monophyly theory of chloroplast]
 現生の多様な葉緑体はすべて[[シアノバクテリア]]に似た同一祖先生物から派生したという考え方.藻類や陸上植物など酸素発生型光合成真核生物に存在する葉緑体の起源については,現生のシアノバクテリアによく似た生物が葉緑体をもたない真核生物に取り込まれ,細胞器官(オルガネラ)化したものであると考える共生説が支持されている.藻類が多系統であることや,葉緑体の色素組成・チラコイド膜構造などが多様であることから,系統ごとに共生したシアノバクテリアが異なっていたと考える説もあった.しかし,葉緑体ゲノムの分子系統解析によって,シアノバクテリアならびに葉緑体が[[単系統]]であることが明らかにされた.真核生物へのシアノバクテリア様原核生物の共生(一次共生)による葉緑体の成立が,生物の進化の歴史上でただ1回の出来事であったと考えられる.また藻類の多系統性との整合性については,二次共生によって説明されている.

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