#freeze
*葉緑体の形成[chloroplast biogenesis] [#x3ad1c1a]
  葉緑体には2,000~3,000種ものタンパク質が局在していると推定されているが,葉緑体自身のゲノムがもつ遺伝子はわずか100種ほどにすぎず,葉緑体タンパク質の大部分は核ゲノムにコードされている.このため,葉緑体の形成には,核ゲノムと[[葉緑体ゲノム]]にコードされている遺伝子群の協調的な発現が必要である.核にコードされているタンパク質は,細胞質で前駆体として翻訳された後,葉緑体へ輸送される.核は葉緑体遺伝子の転写や転写後制御に必要な因子の供給を通じて葉緑体ゲノムの機能をコントロールしている.一方,核にコードされている光合成遺伝子が発現するためには葉緑体から核へ伝達されるシグナルも必要であり,これは[[葉緑体シグナル]]と呼ばれている.高等植物では,分裂組織や黄化組織が光合成組織へ分化する過程で[[プロプラスチド]]や[[エチオプラスト]]が葉緑体に分化するが,この過程は,光などの環境シグナルによっても制御されている.


** 関連項目 [#if72ced0]
-[[葉緑体]]
-[[葉緑体タンパク質の合成]]
-[[葉緑体ゲノム]]
-[[葉緑体遺伝子]]
-[[葉緑体遺伝子の転写]]
-[[葉緑体遺伝子の転写後調節]]
-[[葉緑体RNAのプロセシング]]
-[[葉緑体RNAの翻訳]]
-[[葉緑体へのタンパク質の移行]]
-[[葉緑体シグナル]]
-[[色素体の分化]]
-[[光情報伝達因子]]
-[[葉緑体変異]]
-[[黄化]]
-[[白化]]
-[[緑化]]

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