#freeze
*葉緑体プロテアーゼ[chloroplast protease] [#s0c803e7]
葉緑体内には20種近くのプロテアーゼが存在し、機能している。その機能は大きくプロセシング酵素とタンパク質の代謝回転のための分解酵素に分けられる.前者は葉緑体タンパク質の成熟化に関わる。葉緑体移行シグナルであるトランジット配列を持つ前駆体として葉緑体に輸送されたタンパク質はストロマに局在するSPP (stromal processing protease, メタロプロテアーゼ)により、トランジット配列の切断を受ける。さらにチラコイド内腔に輸送されるタンパク質の一部は、チラコイド内腔においてTPP (thylakoidal processing protease,セリンプロテアーゼ)により移行シグナルの除去をうける。この他、チラコイド膜内腔では、Plsp1(セリンプロテアーゼ)やCtpA (セリンプロテアーゼ)が機能している。CtpAはD1タンパク質のC末端側プロセッシングに必要である.一方,主な分解酵素としてはストロマに局在するClpP複合体 (セリンプロテアーゼ)と チラコイド膜上に局在するFtsH 複合体(メタロプロテアーゼ)が挙げられる,これらはATP依存的にタンパク質の構造をほどき(アンフォールディング活性)、基質の末端部からタンパク質分解を行う. D1タンパク質分解にはFtsHに加え、ストロマならびにチラコイド内腔に局在するDeg (セリンプロテアーゼ)の関与が示されてる。