#freeze
*3/2乗則[3/2 power law]
初期の個体密度が十分に高い個体群では,成長とともに資源の不足などで一部の個体が死亡する.このような自然間引きが生じている場合に,個体密度と平均個体重の間に成り立つ法則.個体密度をρ,平均個体重をWとすると,Wρα=Kで表現される.ここでKは定数である.αの値が3/2に近いことから, 3/2乗則と呼ばれる.土地面積当たりの総個体重(B(=Wρ))を用いて,Bρβ=Kと表される場合もある.Kは上記と同じ,βは約1/2となる.これらの式から,死亡による個体数の減少率よりも平均個体重や総個体重の増加率のほうが大きいことがわかる.α,βやKは土壌栄養条件には影響されないが,光条件には影響される傾向かあることから,地上部の光の競争がその成り立ちに重要だと考えられている.木本,草本,一部の海藻において広く観察される.なお,自然間引きが生じない場合は,個体密度と平均個体重の間には[[最終収量一定の法則]]が存在する.依田ら(1963)の提唱による.