*Lhcsr [#da614f0a]
[[光化学系Ⅱ]]の[[周辺集光装置]]である約28 kDa の[[クロロフィルa/b結合タンパク質]]をコードする.コケ植物および真核藻類に広く分布し,核支配である.[[LHCP]]の一種で3本の膜貫通領域を持つ.クロロフィル蛍光の[[NPQ]]のうち[[光化学系ⅡのΔpHによる効率低下制御]]に依存する成分に必要で,[[光阻害]]に対する防御の役割を果たしている.
#author("2025-07-02T19:46:04+09:00","default:edit2015","edit2015")
*LHCSR [Light-Harvesting Complex Stress-Related protein] [#g91ebbbb]

 LHCSRは,緑藻で発見された光保護タンパク質で,光合成色素が吸収する過剰な光エネルギーを熱として散逸する非光化学的消光(non-photochemical qunching; NPQ)に関わる.LHCSRはLHCファミリーに属し,3本の膜貫通ヘリックスをもつ膜タンパク質で,クロロフィルやカロテノイドを結合する.緑色植物では多くの緑藻類,およびコケ植物以下のストレプト植物に見つかっており,また,珪藻などの紅藻由来の二次共生藻のもつLHCXはLHCSRのパラログであるとされる.このタンパク質の発現誘導と活性化は,特に水中環境において光強度が急激に変動する場合,光合成生物の生存に不可欠なメカニズムであり,過剰光ストレスへの迅速な馴化を可能にすると考えられている.LHCSRの機能に関しては,特定のカロテノイドとの相互作用やチラコイドルーメンの酸性化による活性化メカニズムなど,現在も活発な研究が進められている.

**関連項目 [#z5576a9a]
-[[クロロフィル蛍光の非光化学的消光]]


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