#freeze
*Rubiscoアクチベース[Rubisco activase] [#h480224c]
[[Rubisco]] (ルビスコ)は葉緑体内の低CO&subsc(2);濃度下では,ほとんどが活性化型になることができず,この低CO&subsc(2);濃度下でRubiscoの活性化の促進を触媒するのがRubiscoアクチベースである.RubiscoアクチベースはRubiscoの阻害剤であるCA1P(2-カルボキシアラビニトール1-リン酸)および基質である[[リブロース1,5-ビスリン酸]]がRubiscoの触媒部位に結合した不活性化型Rubiscoからこれらを解離させ,活性化型に転換する反応も触媒する. Rubiscoアクチベース欠損の[[シロイヌナズナ]]は通常の大気中ではほとんど光合成を行うことができず,Rubiscoアクチベースは光合成に必須である.RubiscoアクチベースはATP加水分解活性を有しており,この反応と共役することで, Rubiscoの活性化を行っている.またRubiscoアクチベース遺伝子は核ゲノムにコードされており,多くの植物ではオールタナティブスプライシングにより分子量の異なる2つのアイソフォームが合成され,葉緑体移行シグナルにより葉緑体に運ばれる.一方,[[タバコ]]やキュウリなどでは,アイソフォームは存在しない。現在,これらのアイソフォームの有無や存在意義について精力的に研究が行われている.Rubiscoアクチベースは[[チオレドキシン'''f'''>チオレドキシンf]]によって仲介される葉緑体内酸化還元,およびATP/ADP比によって活性調節を受ける.これらのRubiscoアクチベースの活性調節によりRubiscoの活性化率,ひいては光合成CO&subsc(2);固定速度が制御されている.また,高温ストレスにより植物のCO&subsc(2);固定速度が阻害されるが,これは高温によってRubiscoではなくRubiscoアクチベースが失活するためであると考えられている.
** 関連項目 [#if72ced0]
-[[Rubisco]]