rbcL

 rbcL リブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(ribulose 1,5-bisphosphatecarboxylase/oxygenase, Rubisco)を構成するLサブユニット(大サブユニット)の遺伝子.Lサブユニットは,酵素反応触媒部位を有する.rbcL遺伝子(rbc,ribulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxygenase)は,還元的ペントースリン酸回路を有するすべての原核・真核光合成生物および化学合成細菌に存在する.Rubiscoについては,その重要性とタンパク質産物含量が高いという実験上の利点から,研究が進展した. 1977年に,トウモロコシより,rbcL遺伝子断片がクローニングされ,これは,維管束植物からのタンパク質コード遺伝子のクローニングの最初の例となった.無酸素古細菌類および紅色細菌Rhodo-spirillum rubrumなどを除く原核生物,原始紅藻類シアネル,およびクリプト藻類葉緑体においては,rbcLrbcSオペロンとして存在し,光合成細菌および化学合成細菌においては,1ゲノム当たり2セット存在する.また,細菌においては, *cbbL (cbb,Calvin-Benson-Bassham cycle)とも表記される.色素体を有する真核光合成生物(渦鞭藻類を除く)においては,色素体ゲノムにコードされており,色素体ゲノム当たり1コピー存在する.rbcLは,通常,イントロンを含まないが,ユーグレナ(Euglenagracilis)のrbcLは,例外的に9つのイントロンを含む.rbcLは,生物界を通じて,互いにハイブリダイゼーションする程度の相同性が保存されている.また,rbcLと相同性の高い配列はミトコンドリアゲノムにも報告されている.シロイヌナズナrbcLは, 477のアミノ酸をコードする.色素体におけるrbcLの発現には, DNAメチル化による転写抑制,シグマ因子などによる転写制御,およびmRNA 5'側領域の安定性による制御の介在が報告されている.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:44:25