1976年Melisらは,DCMU存在下でのQAキノン電子受容体の還元キネティクス(実際には蛍光の増加速度より測定)に2成分があることを発見し,還元速度が速いほうの光化学系Ⅱ(PSII)反応中心をα-センター(PSIIα),遅いほうをβ-センター(PSIIβ)と名づけた.還元速度の違いは光化学系Ⅱ反応中心に光エネルギーを伝達する集光性色素の量の違いに原因があり, α-センターは集光性色素の量が多く,光化学系Ⅱの集光性クロロフィルa/bタンパク質複合体(LHCII)をより多く結合しており,グラナチラコイドに存在していると考えられている.一方,β-センターはストロマに面したチラコイド膜(ストロマチラコイド)に存在すると考えられている.