カロース[callose]

  カロースはセルロースと同様に細胞膜上でUDP-グルコースを基質として合成されるが,グルコースのβ-1,3結合による直鎖と少数のβ-1,6結合による分枝から成る多糖である点てβ-1,4結合の直鎖のみから成るセルロースとは明らかに異なる多糖である.アニリンブルー(aniline blue)により特異的に染色されるので,その存在部位は紫外線照射下で蛍光顕微鏡により観察できるが,セルロースとはかなり異なり花粉や花粉管,根毛(root hair)の細胞壁,篩管の篩板(sieveplate), 原形質連絡(plasmodesmata),細胞板(cellplate)形成の初期段階など,特徴的である.しかし,カロース合成酵素はほとんどの細胞の細胞膜に存在しており, Ca2+依存的に活性化されることが知られている.この事実から,病原体の侵入や種々のストレスによる細胞傷害に対応した防御機構の一端を担っているものと考えられている.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:45:03