クロロソームロッド構造[rod structure of chlorosome (chlorosomal rod structure)]

  クロロソーム内には,構成クロロフィルアンテナ色素分子(バクテリオクロロフィルc, d, e)の自己会合体から成るロッド状構造物が複数ある.電子顕微鏡観測から,緑色硫黄細菌のロッドの直径は約10nm であり,非硫黄型では約5nmである.この違いは,構成する色素分子の同族体によると考えられている(硫黄型は8/12位に様々なアルキル基を有するが,非硫黄型は8-エチル/12-メチル基のみ).自己会合体は,ある分子の31位の水酸基が他の分子の中心マグネシウムに配位し,この配位した水酸基がもう1分子の13位のカルボニル基に水素結合したものから成っており,分子間でのπ-π相互作用が大きい.各分子がQy軸方向に秩序正しく並んでJ型様の会合体を形成し,長波長側に吸収をシフトさせている.詳細な超分子構造は現在も議論中であるが,エステル部位の向きで,ミセル型/逆ミセル型/ベシクル型などが提案されている.

関連項目


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:42:54