コネクティングクロロフィル[connectingchlorophyll]

  光化学系Ⅰ励起エネルギー伝達系中ではC(Chl C)とも書かれる.励起エネルギーが光化学系Ⅰアンテナクロロフィルから光合成反応中心に伝達されるとき,両者の間にあって両者間の励起エネルギー伝達の仲介役として働くクロロフィルをいう.光化学系Ⅰ複合体には100個程度のクロロフィルa分子が結合しており,その大部分がアンテナクロロフィルとして反応中心部を取り囲むように分布している.アンテナクロロフィルによって吸収された光エネルギーは初期電荷分離を担うクロロフィルが存在する反応中心部に伝達される.コネクティングクロロフィルは,この反応中心部の最も近くに位置するアンテナクロロフィルaであり,アンテナクロロフィルが吸収した光エネルギーはすべてこのクロロフィルを経て,反応中心部に伝達されると見なされている.その伝達経路は,アンテナクロロフィル→コネクティングクロロフィル→一次電子受容体A0→A→P700と推定される.このような構造は,光化学系Ⅰに特有なものであり,アンテナクロロフィルを結合したタンパク質と電荷分離を担う反応中心タンパク質とが別々になっている光化学系Ⅱ紅色細菌の反応中心にはこのようなコネクティングクロロフィルは存在しない.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:45:35