異化作用[catabolism]

  物質代謝で複雑な物質や高分子化合物を簡単な物質に分解する発エルゴン的過程で,そのときに得られるエネルギーをATPなどに蓄え,生合成,能動輸送など様々な生命活動に利用することをいう.同化作用との対比で用いられる.また,異化作用の代謝産物の中間体のグルコースなどを細菌に与えると,糖の代謝に関係する酵素のmRNAの合成が阻害される.この現象は異化産物抑制(catabolite repression)と呼ばれている.この遺伝子発現の調節は細胞内のcAMPの濃度とcAMP受容タンパク質によって行われていることなど,詳しいしくみが明らかにされている.植物でも光合成の同化産物(グルコースやショ糖)による光合成関連の遺伝子発現の調節が起こっていることが明らかにされている.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:43:00