脂肪酸ヒドロペルオキシドリアーゼ[fatty acidhydroperoxide lyase]

  リポキシゲナーゼにより生成された脂肪酸ヒドロペルオキシドを開裂し,短鎖アルデヒドとオキソ酸を生成する酵素.酸素分子と還元力を必要としない特異なシトクロームP450酵素で,アレンオキシド合成酵素と同じサブファミリー(CYP74)に属する.脂肪酸13-ヒドロペルオキシドに特異的なアイソザイム(CYP74B)はチャ葉,トマト果実など植物に広く存在する.一方,ウリ科植物には脂肪酸13-,9-ヒドロペルオキシドの両方を基質とするアイソザイム(CYP74C)も存在する(EC 未定).
 葉緑体包膜に結合しているとされる.生成物のうち,炭素数6または9の短鎖アルデヒドは植物特有の香気成分であり,一部の防御遺伝子の活性化,フィトアレキシン生成の誘導など,植物の防御応答にも関与する.もう一つの生成物,オキソ酸は癒傷ホルモン,トラウマチンの前駆体と考えられている.

fatty acid hydroperoxidelyase.png

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:42:56