EST解析[expression sequence tag analysis]

 様々な組織で発現しているmRNAからcDNAを作製し,それらの塩基配列を決定しデータベース化することであり,発現している遺伝子のカタログ化である.得られたcDNAの塩基配列あるいはアミノ酸配列から配列類似性検索を行い,それらのゲノム配列上の位置を特定する.この意味から,得られたcDNAの塩基配列情報をEST (expressed sequencetag)と呼ぶ.当初のESTではcDNAの一部のみを決定していたが,現在では全長のcDNAの塩基配列が決定されており,発現している遺伝子の全貌がわかるようになってきている.また,配列の出現頻度から組織毎の遺伝子の発現量を推定することも可能である.ゲノムプロジェクトで決定されたゲノムの塩基配列から計算でORFが推定されているが,これらの推定読み取り枠(ORF)とEST解析で決定された塩基配列が同一であれば,推定ORFは発現している真の遺伝子であると強く示唆される.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:45:10