*F695 [#v09a3a21]
 [[酸素発生型光合成]]生物の[[光化学系Ⅱ複合体]]の[[蛍光]]発光スペクトルを液体窒素温度などの低温で測定すると,685 nmと695 nmにピークを持つ二つの蛍光バンドが観測される.685 nmにピークを持つバンドをF685,695 nmにピークを持つバンドをF695と呼ぶ.また,それらの蛍光を発する成分を指すこともある.[[光化学系Ⅱ反応中心]]近傍で特別な環境にある[[クロロフィル]],とくに[[CP43]]/[[CP47]] (PsbC/PsbB)に結合するクロロフィルが発するものと考えられている.生物種による波長の違いはきわめて小さい.これは,低温での[[光化学系Ⅰ]]からの蛍光のピークが種によって~710 nmから~750 nmの間で変動するのと対照的である.光化学系II・系I複合体からの低温での蛍光は,もちろん組織・細胞や[[チラコイド膜]]においても観測され,F685とF695がともに認識される.しかし,藻類の組織・細胞では,明瞭には分離されず,しばしば一つのピークとして観測される.F685/F695は光化学系IIの存在の指標としても用いられる.[[シアノバクテリア]]と[[緑藻類]]では,低温での光化学系II・系I複合体からの蛍光の量比は,両複合体の量比と良い相関があることが知られている.F695の強度は強い温度依存性を示し,常温では観測されない.また,媒質の影響も受けやすい.(→低温蛍光スペクトル)
 [[酸素発生型光合成]]生物の[[光化学系Ⅱ複合体]]の[[蛍光]]発光スペクトルを液体窒素温度などの低温で測定すると,685 nmと695 nmにピークを持つ二つの蛍光バンドが観測される.685 nmにピークを持つバンドをF685,695 nmにピークを持つバンドをF695と呼ぶ.また,それらの蛍光を発する成分を指すこともある.[[光化学系Ⅱ反応中心]]近傍で特別な環境にある[[クロロフィル]],とくに[[CP43]]/[[CP47]] (PsbC/PsbB)に結合するクロロフィルが発するものと考えられている.生物種による波長の違いはきわめて小さい.これは,低温での[[光化学系Ⅰ]]からの蛍光のピークが種によって~710 nmから~750 nmの間で変動するのと対照的である.光化学系II・系I複合体からの低温での蛍光は,もちろん組織・細胞や[[チラコイド膜]]においても観測され,F685とF695がともに認識される.しかし,藻類の組織・細胞では,明瞭には分離されず,しばしば一つのピークとして観測される.F685/F695は光化学系IIの存在の指標としても用いられる.[[シアノバクテリア]]と[[緑藻類]]では,低温での光化学系II・系I複合体からの蛍光の量比は,両複合体の量比と良い相関があることが知られている.F695の強度は強い温度依存性を示し,常温では観測されない.また,媒質の影響も受けやすい.


** 関連項目 [#if72ced0]
-[[蛍光スペクトル]]
-[[低温蛍光スペクトル]]



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