β-カロテンケト化酵素[β-carotene ketolase]

 カロテノイド合成酵素.遺伝子名crtO, crtW.β末端基のC-4のメチレンにケト基を導入する.即ち,β-カロテンエキネノンを経てカンタキサンチンに,ゼアキサンチンはアスタキサンチンに,γ-カロテンは4-ケト-γ-カロテンに,ミクソールは4-ケトミクソールに変換される.CrtOとCrtWには相同性がない.CrtOはCrtIと低い相同性があり分子量6万前後,FAD結合部位がある.CrtWは分子量3万前後,ノンヘム鉄との結合部位がある.CrtOはシアノバクテリア,細菌で,CrtW(別名BKT)はシアノバクテリア,緑藻,好気性光合成細菌,細菌で機能が確認された.シアノバクテリアでは,CrtOとCrtWがエキネノンを合成し,一部がさらにカンタキサンチンに変換し,CrtWが4-ケトミクソールを合成する.また2つの酵素が2つの経路に別々に関与している.緑藻,好気性光合成細菌のカンタキサンチン合成に関与している.分析例が少ないため基質特異性は明確ではないが,総じてCrtOはβ末端基(β-カロテン)を,CrtWは3-ヒドロキシβ末端基(ゼアキサンチン)をケト化する.

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:45:11