アルビノ[albino]

  組織の一部または全体が白くなった変異のうち,突然変異などの遺伝的な原因で生じたものをアルビノと呼ぶ.植物ではアルビノは色素体突然変異(葉緑体変異)でもある.クロロフィルの生合成経路に関与する遺伝子の一部に変異がある場合や,色素体(葉緑体)の形成時に機能する遺伝子の一部に何らかの変異がある場合などに生じる.核遺伝子支配,プラスチド遺伝子支配,両方の場合がある.放射線,化学薬品,トランスポゾンなどによって様々なタイプを人為的に作製できる.斑入り組織では細胞単位で葉緑体の発達不全がみられ,またミトコンドリアに生じた変異によってもアルビノの表現型が現れる場合があり,葉緑体と核や他のオルガネラ間で,緊密なクロストークが行われていることを暗示している.アルビノの色素体は光合成系のタンパク質の一部あるいは大部分を含まず,光合成能も低下あるいは欠損している.そのため,全体が白くなった個体は糖添加培地や接木などを用いないと生育できない.

関連項目


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:45:48