システイン合成酵素[cysteine synthase]

 EC 4.2.99.8. O-アセチルセリン(チオール)リアーゼ,O-アセチルセリンスルフヒドリラーゼとも呼ばれ,以下の反応式に示すシステイン合成経路の最後の段階を触媒する酵素である. O-アセチルセリン+H2S→システイン+酢酸
 ピリドキサールリン酸を補酵素として要求し,アミノ酸のβ-置換反応を触媒する酵素群に属する.硫黄同化およびシステイン合成の主な場であるプラスチドのほかに,細胞質,ミトコンドリアにも存在が認められる.1段階前の反応に関わりセリンとアセチルCoAからO-アセチルセリンを合成するセリンアセチル転移酵素とタンパク質複合体を形成しており,この酵素複合体をシステイン合成酵素複合体と称することもある.シロイヌナズナゲノムには約10個のシステイン合成酵素相同遺伝子が存在する.これらのいくつかはシステイン合成酵素のほかにβ-シアノアラニン合成酵素などの他の類似した反応を触媒するタンパク質をもコードしていると考えられる.また,システイン合成酵素類はピラゾールなどの異項環化合物のβ-アラニン抱合にも関与しているため,システイン合成酵素やβ-シアノアラニン合成酵素を含めてβ-置換アラニン合成酵素群とも呼ばれる.

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:43:55