ヒル反応[Hill reaction]

 二酸化炭素固定反応を失った葉緑体画分にフェリシアン化カリウムなどの人工的電子受容体を加え,光照射したときに起こる酸素発生反応.ヒルにより1930年代に初めて見いだされた.ヒル反応の発見により酸素発生反応(光化学反応)が二酸化炭素の固定反応(CO2の還元反応)とは独立した反応であることが明確に示された.電子受容体として機能する酸化剤をヒル酸化剤(ヒルオキシダント)と総称する.人工的電子受容体はすべてヒル酸化剤である.生理条件下でのヒル酸化剤はNADP+である.ヒルは遠心分画により得た葉緑体にヒル酸化剤としての鉄シュウ酸塩とウシの血液を加え,光照射による酸素発生をヘモグロビンに由来する吸収変化により測定した.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:44:15