ホスファチジルグリセロール[phosphatidylglycerol]

  1,2-ジアシル-sn-グリセロ-3-ホスホ-sn-グリセロール.生物界に広く存在する酸性のグリセロリン脂質の一つである. CDP-ジアシルグリセロールとグリセロール3-リン酸から合成されたホスファチジルグリセロールリン酸が脱リン酸化されることにより合成される.大腸菌では, DNAの複製やタンパク質の輸送に必要であることや,オリゴサッカライドやリポタンパク質の合成に利用されていることが報告されている.動物細胞や酵母ではミトコンドリアで合成され,大部分は内膜に局在するカルジオリピンに変換される.ミトコンドリアにとって重要な機能を担っている.植物細胞では,主にプラスチドに存在する.植物の葉に含まれるこの脂質の飽和分子種の割合と低温感受性との間には相関があり,遺伝子操作によって飽和分子種の割合を低下させると植物がより低温に強くなることが証明されている.

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:43:33